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執筆者の写真Naoaki KURODA

【資格が自信と信頼を生む】外国語学習者から語学技術者になるには

更新日:2020年10月15日

自分が学んでいる外国語の語学力を使って仕事をする方法がわからない人


「外国語が好きで勉強しているけど将来どうしたら仕事に結び付けられるのかな…。


外国語の勉強って終わりがないんだけど、どこまで勉強したら通訳とかになれるのかな…。


翻訳家になりたいけど、どうやってなるのかな…。」


学んだ外国語を仕事で使えるようにする方法を教えてください。

本記事の内容

  1. 外国語学習者と*語学技術者の違い

  2. 語学技術者になるための3つの方法

  3. 自分の語学力に自信と信頼を与えるのが資格

この記事を書いている私は、大学でイタリア語を専門に学んだ後、イタリアに通算15年間在住し、これまで約1000件近いイタリア語通訳・翻訳案件をこなしてきたプロのイタリア語通訳です。


国家資格のイタリア語の通訳案内士(通訳ガイド)免許と実用イタリア語検定1級、CILSのC2(最上級レベル)の資格を持っています。


1.「外国語学習者」と「語学技術者」の違い  

「語学学習者」と「語学技術者」の決定的な違いはどこでしょうか?

外国語の知識を継続的に吸収することを行っている人が「語学学習者」もしくは「語学研究者」で、吸収した高い語学力を駆使して何らかのサービスを社会に提供することによって高い報酬を得ている人のことを「語学技術者」と私は呼んでいます。


英語やフランス語に限らず、外国語を学ぶことが好きな人は多いと思います。


そしてその外国語の学び方には様々な形があります。


独学で学ぶ人。語学教室で学ぶ人。外人の先生について個人レッスンを受ける人。専門学校で学ぶ人。大学で学ぶ人。海外に行って現地で生きた外国語の習得を目指す人等々…。


これらの外国語を学ぶすべての人々は外国語の「語学学習者」もしくは「語学研究者」と呼べます。


これに対して、「語学技術者」とはどういった人でしょうか?


この「語学技術者」とは、通訳や翻訳家、通訳ガイド、語学教師など、語学に関する専門的な知識と経験を持っている人で、その技術を売って報酬を得ているという意味で私が作った言葉です。


*中国語を話すエンジニアという意味で、中国語技術者と呼んだりもするようですが、ここでは、エンジニアではなく外国語の高い語学力を駆使したサービスを提供することによって報酬を得ている人のことを指しています。


2.「語学技術者」になるための3つ方法

それでは語学技術者になるにはどうすればよいのでしょうか?


まず何よりも先に、中の上以上の語学力の習得が大前提です。


語学技術者の基礎の基礎は当然優れた語学力です。


外国語の基礎的な語学力は独学でも構いませんし、学校に通っても構いませんし、留学でも構いません。


とにかく中の上以上の語学力を、できるだけ早く積み上げることです。


具体的に言えば、語学検定の少なくとも3級以上の力をできるだけ早く積み上げることです。


中の上以上の語学力が積み上がったら、次の3つの方法を実践することです。

  1. 自分が就きたい職業にできるだけ近い環境に身を置いて、先輩や上司からその業界に関する仕事を徐々に学んでいきながら、本当に自分がしたい職業をさらに見極めていく。

  2. 仮に海外で数年間過ごして生きた外国語を学べたとしても、そのあと日本でほぼ日本人とだけ過ごしていると、せっかく得た語学力もみるみる衰えていくので、常に語学力を維持・向上させる自分なりの方法を見出して努力を継続する。

  3. 必要な資格や取ると有利な資格を徐々に取得し続けながらモチベーションを保つと同時に、実力をさらにつけて行く。

では語学を使う職業には具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?

例を8つほど挙げます。

  1. 通訳ガイド

  2. 海外旅行の添乗員

  3. 貿易関連企業スタッフ

  4. 語学教師・講師

  5. 旅行会社スタッフ

  6. 外資系企業スタッフ

  7. 通訳

  8. 翻訳家

最初の1.2.の職業は、外国語の専門的な知識だけでなく特定の資格の取得が義務付けられています。


通訳ガイドは「通訳ガイド試験」に合格する必要があります。


そして海外旅行の添乗員になるには、一般的には「総合旅程管理主任者」の資格が必須です。


一方、3.4.5.6.の職業は、通常最初から取得が義務的に求められている資格が特にあるわけではありませんが、募集をする企業によっては下記のような資格を求められるかもしれません。


貿易関連企業であれば 実用英語検定試験  https://www.eiken.or.jp/ TOEIC  https://www.iibc-global.org/toeic.html 貿易実務検定 https://www.boujitsu.com/introduction ☆通関士  https://www.foresight.jp/tsukanshi/ 日商ビジネス英語検定 https://www.kentei.ne.jp/english ☆MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)  https://mos.odyssey-com.co.jp/about/ など

☆印がついている資格取得のための講座案内は、下記のURLを参考にしてみてください。 新時代の学習スタイル LEC東京リーガルマインド



語学教師であれば


自分が教える外国語の国内外の検定試験





実用フランス語技能検定試験  https://apefdapf.org/

など

旅行会社スタッフであれば


実用英語検定 https://www.eiken.or.jp/


観光英語検定 http://kanko.zgb.gr.jp/


☆国内旅行業務取扱管理者  https://www.tc-college.jp/


☆総合旅行業務取扱管理者  https://www.tc-college.jp/


旅行サービス手配業務取扱管理者 https://www.tc-college.jp/ ※私もこちらで受講しこの資格を取得しました。


国内旅程管理主任者(いわゆる国内添乗員の資格です。)https://www.tc-college.jp/


総合旅程管理主任者(国内・海外ともに添乗できる資格です。)https://www.tc-college.jp/


世界遺産検定 https://www.sekaken.jp/


旅行地理検定 https://www.chirikentei.jp/

など


☆印がついている資格取得のための講座の案内は下記のURLを参考にしてみてください。



このように、職業によって推奨される資格には様々なものがあります。


それでは、一番高度な語学力が求められると考えられている7.8.についてはどうでしょうか。


意外かもしれませんが、日本では、通訳や翻訳家という仕事には、特に取得が義務付けられている資格はありません。


つまり、この資格を取らないと通訳や翻訳の仕事ができないという制約はないのです。


「私はフランス語の通訳です。」、「私はドイツ語の翻訳家をしています。」といま誰かに対して公言したとしても、だれにも何も言われません。


ちょっと不思議ですね。


しかしこれは、フランス語の通訳もドイツ語の翻訳家も、いつでも誰でもなれるということを表している訳ではもちろんありません。


通訳や翻訳家を定義するための義務的な資格が特に定められていないだけで、通訳や翻訳になるためには、高い語学能力の取得はもとより、当然それなりに進むべきキャリアの道筋があります。


例えば、通訳になるには口頭での訳出の際の瞬発力や応用力が求められますので、何と言っても通訳の現場での場数を踏むことが非常に重要です。


また、翻訳家になるには、非常に長い時間座って訳をし続けるという忍耐力や、卓越した国語力だけでなく、自分の訳した著作物を出版してもらうため、各出版社とのコラボレーションも必要になってきます。


このように、現場経験の蓄積、持久力や継続力、ビジネスコネクションの構築といったものは、残念ながら一朝一夕に得られるものではありません。


3.自分の語学力に自信と信頼を与えるのが資格

世の中には様々な資格が、それぞれのビジネスや業界の中に存在しています。


資格試験を受けるのには、受験勉強に何十時間か必要なものから、何百時間も必要なものまであります。受験勉強は大変ですし、年に1回だけしかない試験も多いです。


受験料も数千円のものから数万円かかるものまであります。


私は、実用イタリア語検定1級の試験を1999年に受験して幸い1回で合格出来ました。


しかし、この試験を受けたのは私がイタリア語を専攻していた大学を卒業してから9年、プロの通訳として仕事を始めてから既に7年が経過してからでした。


なぜそれまで受験しなかったのでしょうか?


「自分はイタリア語専科卒だし、イタリアに短期・長期留学もしたし、ローマの日本大使館で2年間勤務もしていたし、現にプロの通訳としてもう何年も生計を立てているんだから、お金を払って今更受けなくてもいいでしょ。」、


「『あなたはそんなにイタリアに住んでるんだから通って当たり前でしょ?』と言われるような試験に合格するためにわざわざ大金を払う必要なんかないんじゃない?」、


「(その当時は)イタリア語検定なんてできたばっかり(1995年創設です。)だし知名度もないし。」、


みたいな理屈をつけて受けていなかったのです。 私のようにこうゆう理屈をつけて資格試験を受けない人も一定数いるのではないでしょうか。


そこではっきり言わせてもらうと、「語学学習者」から「語学技術者」になるには資格が絶対必要です。


理由は2つあります。

  1. そもそも自分自身が自分の実際の語学力のレベルや、専門知識の習得度を正確に把握できないから。

  1. 自分自身の語学力や専門知識に対して、何の客観的な判断も確認も証明も得られないから。

「別にお金をわざわざ払って資格なんて取らなくても、実力さえあれば仕事なんて自動的に向こうからやってくるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、それはあなたが稀有な天才でもなければ、ほぼあり得ません。


もっと言うと、資格を取ったからといって仕事が向こうからやって来ることもありません。


「えっ?!じゃあ、一緒じゃね?」と、言われるかもしれませんが、一緒ではありません。


なぜなら、あなたの語学力や他の分野の知識は、資格認定を受けた時点でオフィシャルなものとなり、客観的なものとして認識されるようになるからです。


この自分の能力が客観的に公認されるというところに大きな意味があります。


それはこの資格取得が、自分自身に確かな自信を生み、他者に対しては大きな信頼を生むからです。


この自信と信頼は、「独りよがりの自信」と「根拠ない信頼性」とは異なるものであることが、お分かりいただけると思います。


まとめ

自分が仮に一番この分野ではすごいと思っていても、意外と自分と同じ実力の人は日本全国レベルで見るとたくさんいて、自分以上の人も必ず存在しているものです。


そしてその多くの人は、あなたが軽視している資格をしっかり取得して実力を継続的に磨いているものです。 


県大会ではらくらく優勝したけど、全国大会に行ったら予選ですぐ負けちゃったみたいなことはスポーツの分野だけでなく、すべての分野で言えることだと思います。


最初はみんな語学学習者です。(もちろん私もそうでした。)


その後、「趣味のレベルで語学の勉強を続ける人」、「勉強をやめる人」、「大学院などに進んで学者をめざす人」、そして「何らかの形でその語学力を仕事に使う人」に、だいたい分かれると思います。


もしあなたが「何らかの形でその語学力を仕事に使う人」を将来選ぶのであれば、それにふさわしい資格をご自身のキャリア形成に合わせてぜひ取得し、堂々とご自身の高い能力を社会に提供しながら大きく貢献できる人になってもらいたいと思います。

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